近頃山林での太陽光発電の事故が多発している
2021年の夏に静岡の熱海市伊豆山で起きた土砂崩れ事故は、まだ記憶に新しいところです。この事故は業者が山の上に残土処理場を造ったものが大雨によって崩落し、市街地で死者を出す災害となったというものでした。そして事故の直接的な原因には、近隣の山上に太陽光発電施設を建設したことが取り沙汰されています。山林を太陽光発電施設建設により広範囲にハゲ山化させたことで、雨水が一気に残土処理上に流れ、それが熱海の市街地に流れ込んだわけです。これと同様に全国の山林では、私有の山林の斜面に太陽光発電施設したあと、大雨のたびに大小の土砂災害を起こすという被害が続出し始めています。山の樹木を広範囲に切り開いて太陽光発電をすることには、極めて大きなリスクがあると言えるでしょう。
山林での太陽光発電を成功させるには
しかしきちんとした対策を取っていれば、山林での太陽光発電施設から土砂災害が発生するリスクを減らせると言われています。例えばハゲ山になっていても斜面に段差や遊水地を作っておけば、雨水が一気にふもとに流れていくことを防止する効果があります。さらに太陽光発電施設の地面には吸水性のある素材を配置したり、山体が崩壊しないようにする工事を入念に行うことも効果的と言われます。またそもそも土砂災害が発生しても、市街地に被害が出ないような立地を選んで太陽光パネルを置くとか、急斜面は避けて緩斜面のみに設置するといった基本の部分も怠れません。いずれにしても山林に太陽光発電施設を建設する場合、様々な災害の可能性と施行の仕方の検討を重ねる必要がありそうです。
太陽光発電の価格は、近年安くなっています。理由は、再生可能エネルギーであり、地球にやさしいからです。